庵治石とは
御影石のダイヤモンドとも呼ばれる最高級銘石
香川県高松市の北東部、源平合戦の舞台で有名な屋島の対岸に位置する霊峰・五剣山。その山麓の庵治町・牟礼町で採掘されているのが銘石「大丁場 庵治石」です。
水晶にも匹敵する硬度と日本人の情感に訴えかけるかすみのような幻想的な紋様が特徴の庵治石は、その希少性から「御影石のダイヤモンド」とも呼ばれています。
数百年の時を経ても変わらぬ石質と熟練の名工が引き出す深みのある光沢は、国産「大丁場 庵治石」ならではの魅力。
想いを刻むお墓づくりは、素材の石選びにもこだわりたいというお客様にお選びいただいています。
庵治石の特徴
日本人の洗練された美意識や情感に訴える美しさと、長期の耐久性
庵治石は鉱物の結晶が極めて緻密で、その硬さはガラスや鋼鉄なども傷つけられる水晶(石英)に匹敵します。加工が難しく「職人泣かせの石」と言われる反面、細かな彫刻を施すことができ、吸水性が低く風化・変質に強いため、五百年前の文字が残る例もあるほどです。長期の耐久性、美観性にすぐれた庵治石ですが、岩盤内に亀裂が多いことから、厳しい検品に合格して出荷されるのは産出量の3%程度です。そこから墓石に仕上げるまでにも、職人たちが納得のいくまで何度もつくり直すという手間を掛けます。庵治石の墓石の値段が高い理由、完成までに多くの期間を要する理由はこういったところにあります。それでもなお、多くのお客様に庵治石のお墓をお選びいただけているのは、石とそこに命を吹き込む職人の姿に価値があると感じていただけているからと信じております。
庵治石の歴史
古くは平安時代から、天下の銘石として不動の地位を確立
平安時代、京都・石清水八幡宮の宝殿や拝殿などを再建するために「讃岐国鴨部庄」から石材を運んだとする記録が残っており、この石材には庵治石も含まれていたと推察されています。
江戸時代初期には高松城築城や大阪城大改修に、江戸中期から明治期にかけては塩田の石垣や石釜などに庵治石が大量に使われました。松山の道後温泉は、日本書紀にも登場する我が国最古の温泉として知られていますが、道後温泉本館にある皇室専用の湯殿「又新殿」(明治32年竣工)の浴槽と湯釜もこの庵治石でつくられています。
現在の首相官邸は平成14年に竣工したものですが、首相の執務室がある5階フロアの石庭などにも庵治石が使用されています。また、政財界、スポーツ界、文化人など各界の著名人のお墓にもたくさん使われており、時を越えた思いを刻むのに相応しい「天下の銘石」として不動の地位をものにしています。